星でみる2009年下半期の社会の動き

昨日、2009年下半期の星の動きを追ってみて、
改めて幾つかポイントを確認してみました。


中でも注目すべきは、
冥王星土星のスクエア(90°の関係)、
そして木星海王星の合(重なり)が同期する点。


以下は、
上記2点の詳細および、
それらのまとめについての覚書です。




■社会的マイノリティーの不満の噴出

まず冥王星土星に関してですが、冥王星は現在山羊座の最初の方で逆行しており、
11月のはじめに天秤座へ移行してきた土星とスクエア(90°)を形づくります。


そもそも土星は、在泊する星座のテーマを点検して問題点をあぶりだし、
補強して安定をもたらすというメンテナンスの動きと関係しており、
土星外惑星との影響を、社会内部や日常意識に安全に組み込むための安全弁の役割を果たす天体。


したがって乙女座から天秤座への土星の移行は、
点検するテーマが一個人としての姿勢から、他の人と関わり方へと変化することを意味します。

つまり、実務や行動管理など個人の枠内での調整から、
立場の異なる他人との関係でいろいろと修正しなくてはならない問題が出てくるわけですが、
これを個人的な文脈ではなくもう少し社会的な文脈で見ると、
職場レベルの規律の引き締めから、雇用制度など法規制のレベルでの見直しへとステップする流れと読み取ることもできます。


自己責任をめぐる内向きの議論から、社会性の獲得や環境へいかに関与するかなどといった外向きの議論への変調。
そしてこの変調を決定的にするかのように、冥王星の介入が起きます。


冥王星は、この世の社会システムの常識を超越した、社会的想像力の「外」側からの意志であり、
ホロスコープに(すなわち人間の内宇宙)に穿たれた暗い暗い穴です。


介入時の在泊度数は山羊座2度。
これは勢力争いが発生すること、外部からの攻撃を受けてプライド(精神的な権威)が破壊されることなどを暗示する度数で、
911の時には戦いの神マルス(火星)がこの場所にありました。テロの度数です。


この場合、攻撃を受ける主体はあくまで「社会」や「常識」たる土星なので、この冥王星の介入は、
権威に抑えつけられていたマイノリティーによる、雇用制度や法規制への怒りや、
それらの転覆を求める反社会的な衝動の噴出とも読めます。


これはフリーター・ニート非モテなどに限らず、物質的・精神的「貧困」を余儀なくされている人々が、
いよいよ自己責任論による自責モードから解放されて、過激なデモ(90°)さえ辞さない強硬姿勢で、
社会の「安全弁」を一時的に吹き飛ばす流れが本格化することも十分予想されるでしょう。



アウトサイダー的なネットワークの広がり

次に、木星海王星の組み合わせですが、現在水瓶座にあって5月の月始めには海王星と重なる木星は、
6月後半から逆行しはじめ、いったん海王星から離れて夏から秋にかけて水瓶座の傷を修復し、
今年の年末にまた再び海王星と重なります。

木星海王星が重なるのはおよそ12年から13年に一度で、
これは社会の中で理想主義的な運動が生成されるサイクルと言われています。


木星は拡大や増殖を意味し、土星の決めたルールの下で、物事を発展させていくのが役割で、
水瓶座の意味する現実的な立場や限定された場所性を排した純粋に意識や理念でつながったネットワークの活性化を促し、
海王星と重なることで、このネットワークがいわば人間が本来持つ直感や第六感に依拠するものとなり、
人との結びつきが最大限に広がっていきます。


しかし一方で、この海王星との重なりは、木星の意味するモラルのあいまい化が生じるリスクも意味し、
モラルのレベルが低ければ、当然個人のテリトリーや権利の不当な侵害なども起きやすくなるでしょう。


夏から秋にかけて、木星が逆行して水瓶座のシャドウ(16〜20°の領域)を再度体験しなおすことの意味は、ここにあるように思います。
つまりネットワークが高度に発達することで、結果的に公的なものと私的なものとの関係が歪んでしまい、
改めてその境界線を線引きする必要が出てくるわけです。


そのため、9月から11月にかけてある一定のラインをもとに、個と全体のバランスが再調整されていきます。
突出した個人と平均的な集団とを分けるのは、個人が過剰に蓄えこんだ経験や情報ですから、
現象としては資産や秘密を「外」に投げ出したり、あるいは暴露され剥奪されるようなことが起きるかもしれません。
これは個人の立場からすれば一時的にはネガティブですが、その結果、必要とする人とモノすべてが予兆に富んだものとなり、
シンクロニシティーなども起きやすくなるでしょう。


この共鳴は、山羊座的な組織のピラミッドに組み込まれていない人ほど起きやすくなるので、
自営業者や無職、フリーター、ニートあるいは定年退職者など、
社会からドロップアウトした者同士のネットワーキングは特に活発化するものと思われます。



■まとめ

2点をまとめると、5月以降の社会からドロップアウトしたアウトサイダー間でのネットワーキングが特に活性化していく中で、
11月に社会的マイノリティーがためこんだ不満が噴出する構図が出来あがり、
年末にはネットワーキングへの盛り上がりが最高潮に達するという流れが見えてくる。


確かに、最近自分の身の周りでも、不思議な縁でのネットワークの広がりを感じるところはあるし、
雨宮処凛さんへの再評価の機運などは、社会的マイノリティーに闘うだけの気力と言葉を与えているようにさえ思えてくる。


どうやってこの社会の流れに乗っていくか、思案のしどころだ。