占い世代論

この1週間、占い業界で著名な某占星術研究家の方と夜を徹して飲んだり話したりする機会が2度ほどあって、色々考えることが多かった。


その方の話としては、これまでは占い師で集まると、細かな占いの技法論やニューエイジ系のふわふわした議論に終始しがちだったけど、占いや占い的なものを俯瞰的に捉えて、その帰し方行く末や、他ジャンルとのコラボレーションに関する具体的なプランなどについて、一緒に話ができるのが新鮮!ということだった。


その方は40代前半。やはり20代の男性占い師というのは少ないのだろう。そういう実感を持って、改めてこれはチャンスだと思った。なぜなら、ある世代でしか先鋭的に語れない内容や感覚というものが、必ずあるからだ。


たとえば、1971年〜1984年の間に生まれた人は、冥王星が天秤座にある。
現在この人たちは24〜37歳位。


天秤座のテーマは、他者と対等に生きるということ(共同性)や、結婚やパートナーシップ、対外的なイメージ作りや表現方法、普遍的な知恵の探求。。。などが挙げられるが、これらのテーマについてまったく新しい要素を持ち込み、根底から変えてしまおうという時代的気分を、この世代の人たちは持っている。


現在の38〜51歳(主に40代)にあたる乙女座冥王星世代にとっては重要な価値であったキャリアとか、どうしたら仕事面で有能になれるかといった問題意識は天秤座冥王星の世代の中では薄まっており、この世代の深層に漂う問題意識は、どうやって人と人が出会い、お互いを活かしうるのかといった、恋愛や結婚にとどまらない人間関係のスタイルに向けられている。


天秤座以前の星座は、個人としての自分をいかに完成させるかというのがテーマだったが、天秤座からは、いかに他者と結びつき、いかに生きやすい社会を形成していくかという志向に変わっていく。


つまり占星術的に世代整理をすれば、現在の40代以降の人とそれより若い世代とでは、最も根本的な問題意識が決定的に異なるのだ。


たぶん、僕らの世代は、占い師としての技量がどこまで凄いかとか、当てられるぜアピール(有能さの証明?)といったことにはもはや関心がない。興味があるのは、あくまでコミュニケーションツールとしての占いや、人々の中に通底している共通の基準を見出すフレームとしての占いだ。


僕らには僕らにしか出来ないことをやろう。
才能は出世するためにあるのではなくて、
社会をまわす歯車として回転させていくためにあるんだから。